今回この車庫の屋根塗装のご依頼なんですがけっこう大きな車庫ですね、軽自動車6台は入るんじゃないかという広さです。

屋根は工場や倉庫でよくみられる「折半屋根」（金属板を折り曲げ加工した屋根材）です。折半屋根のメリットとしては、工事が短期間、部材が長尺で継ぎ目が少ないので雨漏りが起こりにくい、工事費用が安いとい
う点が挙げられます。一方、断熱効果はほぼ無く、金属板なので定期的なメンテナンスが必要というデメリットもあります。この車庫は建ててから17年位経過し、今まで全体的なメンテナンスは何もされていないとのことです。経年劣化により屋根全体にサビが広がっています。

折半屋根の施工方式は、はぜ締め式（鋼鈑の継ぎ目を折り曲げてつなぎ合わせる）、重ね式（鋼鈑の継ぎ目をボルトで固定する）、嵌合式（鋼板の継ぎ目にキャップを取り付けて覆う）があり今回のものは「重ね式」になります。一般的に多く見られる方式です。屋外にボルト部分が露出しているので年数経過によりサビているものがほとんどです。そして折半屋根で最も多い雨漏れの原因はこのボルト部分のサビによる劣化です。屋根材が良好な状態でもボルトのサビが原因でその周辺が劣化腐食し、隙間が生じ雨水が侵入してしまうのです。屋根の上にブロックがいくつか置かれていましたが、ひょっとしたらボルトの劣化で強風の日にはバタついてしまうので抑えるために置いてるのではないかと思われます。となるとすでに雨漏れしている可能性は十分にあります。

当然のことながら全てのボルトはサビきっていました。水上（屋根勾配の高い方）の谷に打たれているコーキングも劣化し過ぎてほぼ意味はなくなっています。

屋根自体の強度はまだ大丈夫でしたが塗装をするにあたってはかなり厳しい状況だと言えます。ケレン作業でこのサビを徹底的に除去してから塗装作業をしないと仕上がり、耐久性に問題が発生してしまうからです。さすがにこのまま現状放置ですと屋根材そのものが腐食してしまいますのでなるべく早めの塗り替えをお勧めし現場調査を終了しました。