屋上部の現状

まずは屋上の全体はこのような感じの現状です。表面のコンクリートの劣化が進んでコケなどが生えてしまっています。

このような広範囲の陸屋根にはアスファルト防水が施されていて、まず躯体コンクリート屋根の上にアスファルト防水シートを貼り、その上から押さえコンクリートで仕上げていますので表面のコンクリートが多少劣化しても即漏水することはまずありません。そして筒状のものが数ヶ所に立てられていますがこれは脱気筒と呼ばれるもので防水層の下に溜まった水蒸気を外に逃がす役割を持っています。これにより防水層の劣化や膨れを抑制しているのです。

最も気になった点はやはりこの目地廻りのひび割れやクラックです。この目地は誘発目地と呼ばれるものでコンクリートの収縮によるひび割れを一定の場所に集中させるために設けています。これにより全体のひび割れを生じにくくさせています。このまま放置するといずれはこの目地廻りから漏水していくのではないかと思われます。

外壁部の現状

続いて外壁を見ていきます。今まで塗り替えなどは一度もされていないようなので長年の雨水による黒ずみが至る所に見られます。

ここは塗装がほぼ無くなり見事に黒ずんでしまい、あちこちにコケも生えています。元々は白っぽい塗装だったのでしょうが。

建物内側の壁も経年劣化が進んでいました。元々の吹付塗装が下地のコンクリートから剝がれてしまっていたりクラック部分から汚れが染み出している部分もあります。

共用通路の鉄部も同様に、塗膜が生きているところはほとんどありませんでした。

現地調査まとめ

今回の調査を経て屋上防水に関しては、誘発目地の撤去、クラック補修を施し、シート防水（塩化ビニールや合成ゴムでできたシートを貼る）で仕上げるご提案を、外壁塗装に関しては塗装作業前の下地処理（高圧洗浄による汚れや旧塗膜の除去）に相当な時間がかかると予想されますので、その辺の事も説明しつつオーナー様のご意向に沿えるよなご提案をさせて頂こうと考えております。