お伺いした高崎市榛名町のこのお宅は築25年とのことですが、外壁がタイルのせいかあまり年季が感じられず美しさが保たれている印象です。屋根の不具合点検ということですが、なんでも太陽光パネルのメンテナンス業者さんから屋根がボロボロになっているので見てもらった方が良いということで今回弊社にご連絡を頂きました。

ではドローンで見ていきましょう。屋根形状は寄棟（よせむね）で東面、南面に太陽光パネルが設置されています。上空からでも屋根全体の劣化がよくわかります。

これがセキスイかわらUと並び不具合屋根材として有名なパミールの劣化症状です。このような不具合が起きている屋根材はある一定期間に製造されたものに限られています。パミールに関しては、屋根材メーカーのニチハが1996年から2008年にかけて製造したスレート屋根（セメントが主成分）が対象になっています。健康上の観点からアスベストの使用が法律で禁止されたことによりノンアスベスト屋根材として製造されましたが、アスベストを除去したことにより屋根材自体の強度が落ちてしまいました。耐久性の検証もままならないうちに全国各地に流通してしまったため、現在このような状態の屋根が各地で問題となっています。

パミールの劣化はこのような層間剥離（ミルフィーユ状の剥離）が特徴です。屋根材の下部から塗膜、セメント層と徐々にめくれ上がっていき基材（白い部分）が露出してきます。この屋根は基材の露出が全面的に拡大してきているのでかなり危険な状態にさらされています。おそらく破片なども飛散しているのではないかと思われます。

パミールに限らずこういった不具合屋根材に対して塗装は不可能なので、屋根を全面的に葺き替えるか既存屋根の上から新しい屋根を被せるカバー工法の二択しかありません。

現場調査まとめ

パミールの劣化状態を見る限りこれは早めのメンテナンスを行った方が良いと思いますが、屋根工事以外に太陽光パネルの脱着などの付随工事も発生しますので若干予算がかかってしまいます。その辺も考慮しつつ葺き替えかカバー工法かの検討をしていただけたらと思います。もしかして自分の家の屋根もパミールなのでは？など気になることがございましたらお気軽にお問い合わせください。弊社はドローンによる無料点検・診断を行っております。